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第11回「営業用仕事カタログ」

 著者:千葉潮

高校の同級生で大学病院の医師をしている友人がいます。名医として、週刊朝日の別冊などのリストによく掲載される腕のいい外科医で、私の家族も執刀してもらったこともありました。
久々に同級生で会うことがあり、雑談したのですが、その中で「千葉さんは自営でしょう? 営業している?」と尋ねられました。
話を聞くと、彼も最近は診察や授業より営業活動が多いとか。それってなに? 転職先探し? と質問すると、研究費などをゲットするための活動だそうです。

ほぉぉぉーーっ。お医者さんもたいへんなのね。

彼自身はお酒は飲みませんが、宴席で「お願いしますよォ」とスポンサーにサービスしながらおねだりすることもよくあるそうです。
「そうだねえ。うちは営業はするけど、戸別訪問っていうわけでもないし。それに拡大路線というわけでもないからねー、クチコミだけだよ」と答えると、「拡大しないと、僕らも評価さがるのよ」というお答え。
オマエモチャントエイギョウセンカ~・カクダイセンカ~と叱られてしまいました。
……悪かったね、拡大路線じゃなくて。

じゃ、フリー編集の営業とは?
みなさんはどのように営業活動をやっておられるのでしょうか?
残念ながらアポなし訪問っていうのはやったことがありません。
どうやったらええんやろ? だれかウマい方法を教えてください。

ま、知り合いから紹介されて会社訪問などが主になりますね。ここで自己アピールしとかんと……。

イラストやデザインの仕事の人は、作品の入ったポートフォリオを渡せば、相手はわかりやすいです。
編集の仕事は、「ここからここまでわたしがやりました」ということを、完成した本をお見せしたところでわかりにくい。
いっぺんには読んでもらえないし。第一持ち運びが重いです……。それに編集とは、果てしない雑用の集積ですもん(企画以外は)。

そこで数年前から作成しているのが、仕事カタログです。
アマゾンで本を検索すると、書影と奥付のデータとちょっとしたコメントが出てくるでしょう? あれをいくつかまとめたようなイメージです。
シンプルなデザインにレイアウトして、仕事の種類別に分類し、A4の用紙9-10枚にまとめてカラープリントし、製本します。
企画書を製本するようなキットが大きな文具店には売っていますから、結構簡単に見栄えのするものが出来ました。(1)
でも、これを手渡しするのはいいにしても、やはりかさばります。
それで今年は、仕事ごとにポストカードサイズにカラープリントしました。
カードサイズの透明袋に納めて、手渡しするのです。
プロフィールカードと名刺も同封します。
これだと大げさじゃないし、ちょっと見た目も変わっていていい感じです。小さいので郵送も手軽。(2)

(1)も(2)も、イラストレーターやデザイナーのひとたちがやっていたやり方ですが、編集の仕事にも応用出来ました。
ウェブサイトでの展開もいま考えていますが(遅いっちゅーねんっ)、相手のアクションが必要なので、「これやで」とモノを渡すのが即効果があるんじゃないかな、と思うんですけども。
あとは笑顔、やっぱり笑顔ですね。効くのはっ。

ところで昔、建設設計の会社にいた時は、営業というと、役所の建設課や上下水道課などの窓口に行っては名刺を入れてくる(名刺入れのハコが常備してあるんです)、下っ端はそんなことしかしません。入っている名刺の枚数で、「随時契約」(ちっちゃな工事のプランニングなとど)が入ってきます。熱心な業者だと判断されるんですね。最近、防衛省の調達問題でよく聞く「随時契約」。懐かしい言葉ですワ~。

この記事の著者:千葉潮 »プロフィール

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