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第19回「クリスマスプレゼントに本を贈りました」

 著者:千葉潮

今日はクリスマス。
……しかし、三連休明け+年の暮れで、連絡や打ち合わせに忙しい一日でした。
皆さんはどのようにおすごしでしょうか?

昨日のクリスマスイブは、プレゼントを買いに、近所の書店に出かけました。
プレゼントに本を選ぶ人は多いようで、親子連れがたくさん。そして店員さんは包装にてんてこ舞いです。
私の前に買っていた人は、「ぐりとぐら」のシリーズをグッズを含めて一挙購入。お孫さんのために買っておられたようでした。

児童書売り場には、しっかりとドラえもんの本を握りしめて真剣な顔で立ち読みしている小学生の男の子が印象的。
「絶対買ってもらうんやっ」という気持ちがありありです。
それから「童話はいいねン。伝記が読みたいワ」という別の男の子。
伝記って人気がある分野なのか……と教えてくれました。
お店に来ているたくさんの将来の読書人くんたち(われわれのお客様ですね)にエールを送りました。

私はと言えば、親戚の子どもたちへのプレゼント(子供用ノンフィション、児童文学、なぞなぞ本2冊)を買ったあとに、自分用に絵本を2冊プレゼントしました。
「よるくま」(偕成社)
「よるくま クリスマスのまえのよる」(白泉社)
今年の出会いの最高の収穫の一つが、これらの作者酒井駒子さん。
直接お会いしたのではないのですが、たまたま、(普段余り近寄らない児童書売り場で)立ち読みした絵本にすっかり引き込まれました。
それは「ビロードのうさぎ」(ブロンズ新社)。

実は酒井駒子さんの絵本は、1年半ほど前に書店でのフェアの際に出会っていて、そのときも2冊買ってかなりお気に入りの部類には入っていたのですが、それでも、とてもいい絵を描く人だな、という印象に終っていました。

ところが今年の新刊「ビロードのうさぎ」ではお話にもすっかり引き込まれてしまいました。
クリスマスにもらったおもちゃのうさぎと、幼い坊やの心の通い合い。
坊やは、ほんもののうさぎだと言ってかわいがりますが、病気で転地療養するときにすっかり古ぼけてしまったうさぎは捨てられようとします。
でもそのときに妖精が現れて、ビロードでできた布のうさぎは本物のうさぎに生まれ変わります。
病気が治って家に帰ってきたぼうやを、そっと見つめるうさぎ……。

もともとはアメリカの作家がつくったかなり長いお話ですが、酒井さんの抄訳がとてもよく雰囲気を伝えています。

これをきっかけに、書店で酒井さんの絵本をオトナ買いです。
「いやされる」というような言葉では語りたくないのですが、自分の中に失われずにいる「こどもごころ」を確認することができる、というようなことでしょうか。絵本を好む自分自身に出会って、かなり驚きました。

おとなでも絵本を好む人は大勢いらっしゃいますが、「子どものときに読んだ本をそのまま好きでいるっていうだけのことじゃないのかしら」と、これまではいささか懐疑的でした。
というのは私は子ども時代に好んだ書物を今でも繰り返して読んでいる(のでぼろぼろ。もしくは、新しく買い直したものもあります)からです。

酒井さんが知らなかった私に気づかせてくれたということなんですね。

たまたま秋の東京出張の際、酒井さんの絵本原画展が大田区の絵本専門店ティールグリーンさんで開かれていました。
住宅街の中にある書店さん。

閉店間際にようやくたどり着き、展示作品(原画)を見て、絵本やポストカードを購入。
店長さんから酒井さんの人となりなどを伺うことができたのも、今年の楽しかった思い出です。

子ども時代のクリスマスやお正月、祖父母から、雑誌を買ってもらうのが楽しみでした。(りぼん、なかよし、のような少女雑誌が多かったですね)。
イベントのときに本や雑誌を大切な人からプレゼントされたら、読書好きの人に育つんでしょうね。
そういうわけで、最近はもっぱら雑誌や本を甥っ子たちにプレゼントするようにしています。喜ぶのは一瞬、ですけども。
将来の市場開拓、というわけです。(うふふ)。

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