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第24回「立ち飲み」はたのしい哉

 著者:千葉潮

ご無沙汰しています。
先月から、会社員とフリー編集の二足のわらじを履いています。
どちらも編集の仕事ではあれど、領域が若干違うので、調整に時間が取られ忙しくなりました。ブログの更新もままならない状況で、あせっています。
いつになったらペースをつかめるやら……。

さて、前回もちらりと申し上げましたが、現在、立ち飲みのガイド本を企画中です。
毎日新聞の土曜朝刊(大阪府のみ)に連載中の「酩酊大阪八十八カ所」を書籍にまとめるのです。4月中旬には大阪書籍から刊行されますので、その節はまたご案内しますね。
私が携わっているのは、この本の企画。記事を書いている松井宏員記者とは昨年秋のネッツと出版労連のシンポで出会いました。

もともと購読紙なので、注目している連載だったのですが、いままでどこからも出版のオファーがなかったとかで、早速提案させてもらったのです。
おしゃれな立ち飲み屋さんが増えている昨今、古くながらの立ち飲み屋をたらたらとイラスト付きで紹介していくこの企画。
じつは私は立ち飲み屋さんに行ったことがなかったのですが、この記事を読むと行った気になって楽しくなっちゃうんですよね。

書物にまとめる記事は既にいただいていますが、昨日は取材に同行しました。
実質的に立ち飲みデビューです。
夕方5時に西中島南方の改札に集合して、お目当ての立ち飲みやを目指す総勢7名の取材陣。これだけでも十分に怪しい一団です。
(ええねん、ええねん。怪しい方が)
昭和初期に酒屋さんとして開店。立ち飲みを始めたのは戦後という、このお店は、古ぼけててすごくいい味わいの店構え。もちろん立って熱燗のコップ酒。「あて」は湯豆腐とポテトサラダほか。そしておかあさんの陽気なこと。ほっとするわー。
ちょっと歩けばすぐに淀川の土手というロケーションです。

……詳細は記事に任せますので省略しますが、この日訪れた立ち飲み屋は3軒。
仕事帰りにちょっと飲む職人さんが集まる店、サラリーマンが寄る店、顔はそれぞれでした。
すっかり気に入ってしまったのだけど……。
どうして、立ち飲み屋さんに魅力を感じるのか、と考えてみました。

(1)安い ……1 軒平均1000円前後。
(2)酒がいい……だいたい酒屋なのでやすくていい酒がのめるんだろうな
(3) 店のおとうさんやおかあさんと、お客が一緒に店をつくってきたんだろうな、という安心感がある

最近の居酒屋でも立ち飲みやでも、フードコンサルタントのような方が入って、それなりに美味しいし雰囲気もいいのだけれど、完成形の提供でしかないように思うんですよね。
どこに入っても、博覧会のパピリオンのような感じ(3-4年である程度収益を出して、撤退もしくは改装が前提になっているんだろうと思います)。
それじゃちょっとおもしろくない感じがするんだなぁ……。お客の参加する余地がないというのはなぁ……。

そういうわけで、ノスタルジックな立ち飲みやさん満載の本を今作っていますので、書店に並んだ際にはぜひお買い求めくださいませ。

(ああ、今日も飲んだ話になってしまいました……。)

この記事の著者:千葉潮 »プロフィール

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