ホーム >  出版コラム >  編集・執筆・校正 > 「日本語直します」講座・10

「日本語直します」講座・10

 著者:管理人

 某メーリングリストに流された文です。

 何が言いたいかがおぼろげながら判別できるというレベルの文。
 「鈴木さん」の話を聞いてまとめた報告文のようです。このような文章にはどう対処すればよいのでしょうか。

 

【文例10】
 震災後、みんなも大変と、思いを閉じ込めていた子供もあり、鈴木さん、あしなが育英会はもともと交通遺児のためのもので、最近だと親が自殺して残された子供もあり、同じ境遇の子どもたちの、言わなくても同じ境遇の人が分かってもらうためのもので、兄弟のようなものになり、こうして苦労し、この子達のために、行政がしっかりして欲しいと言われました。

 

《分析と修正のポイント》
 これ以上論理が破綻していれば修正は無理というレベルでしょう。
 推測しながら書き直すしかありませんが、ただ、この原文のまま忠実に修正するというのは無理があります。
 むしろ、根本的に構成を組み直したほうがよいでしょう。

 こういった、様々な内容を詰め込みすぎた文章は、整理整頓して箇条書きにするのが適切かと思われます。

 「鈴木さん」が途中に出てきて、最後に「言われました」では読者はそのつながりが理解できません。
 冒頭に「鈴木さんが言った」とまず概要を示すこと。
 そして中心テーマを最初に示した上で、一つ一つの項目を箇条書きに列記すること。
 これで内容が理解しやすくなるでしょう。

 

《修正例》
 鈴木さんはこんなことを話されました。
1.あしなが育英会はもともと交通遺児のためのものだが、同じ境遇の子どもたちが兄弟のようになれる場でもある。
2.震災後、みんなも大変だからと、自らの思いを封じていた子どももある。
3.最近だと親が自殺して残された子どももある。
4.そこでは、同じ境遇の者同士、言わなくても分かってもらえるのだ。
5.これらの子どもたちのために、行政がしっかりしてほしい。

 番号はあえてつける必要もありませんが、箇条書きにすることによって要点がクリアになるということはお分かりいただけると思います。

 複雑な内容になればなるほど、一文にまとめないほうがよい、ということ。
 さらに複雑な場合は、KJ法やマインドマップを利用して概観をつかむのがよいでしょう。

この記事の著者:管理人

  • この記事の著作権は、著者が有します。
  • この記事の内容についての責任は著者にあります。出版ネッツ関西が記事の正確性やその及ぼす影響について保証するものではありません。

同じ著者の記事

カテゴリ「編集・執筆・校正」のほかの記事