編集スキルアップ勉強会で、Tさんから「ワードの(段落)スタイルをInDesignに読み込みたいのだが、うまくいかない」という問題提起がありました。
2016年12月の勉強会でも、このテーマを取り上げましたが、解明できないまま宿題となっていました。
2017年正月3ヶ日に、Tさんと山崎でメールのやりとりをして、やっと、ほぼ解明ができましたので、このコラムに報告しておきます。
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Tさんが試したのは、このようなワードデーターでした。このワードデータには(段落)スタイルとして「見出し1」「見出し2」「見出し3」「メイン文書」の4つのスタイルがきちんと設定されています。
これをInDesignに読み込んだところ、山崎はうまくいくが、Tさんはうまくいかない、という現象がおきていました。
その原因究明に手間取ったのですが、わかったのは次のことです。
InDesignでワードを「配置」する時に、次の4つのチェック項目が表示されます。
□ 読み込みオプションを表示……(1)
□ 選択アイテムの置換……(2)
□ グリッドフォーマットの適用……(3)
□ キャプションを作成……(4)
このチェックを、Tさんは(1)(3)にチェックを入れ、山崎は(1)のみにチェックを入れていました。
つまり、「グリッドフォーマットの適用」をオンにしているとスタイルが読み込まれず、オフにしているとスタイルが読み込まれたのです。
なんだか逆でないと理解しにくいのですが、とにかくこれがInDesignの「仕様」だとわりきることにしました。
「グリッドフォーマットの適用」をオフにして読み込んだInDesgnデータ(CS5)がこれです。
このままでは、フレームが「テキストフレーム」になっているので、フレームを選択して右クリックし、「フレームの種類」で「フレームグリッド」を選択します。
ここから手動で、ワードのスタイルをInDesignのスタイルに置き換えていってもいいのですが、それを自動的に行う方法があります。
ワードをInDesignに読み込む時の「読み込みオプション」で、「スタイル読み込みをカスタマイズ」にチェックを入れると「スタイルマッピング」の指定画面が出ます。
この指定は意外と簡単です。ワードのスタイルとInDesignのスタイルをメモしたのがこの表です。
この表のように「スタイルマッピング」を指定して、読み込むと、このようなInDesignデータができます。このInDesignでフレームを選択して右クリックで「フレームグリッド」を選択します。
すると、InDesignデータはこのようにきれいに段落スタイルが適用されたものに完成します。
文を読んでいるだけではわかりにくいかもしれないけれど、実際にやってみると、意外とかんたんですよ。
ぜひ自分で一度やってみてください。
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