あるメーリングリストに流れた文章を採り上げてみます。
「ストーンウォーク日本」という運動の呼びかけがありました。その文章がこれ。
【文例6】
このピースウォークは、1.5トンの無名の戦争で犠牲になった人々を追悼し平和を願う墓石を歩いて運ぼうというもので、アメリカからは10数人がこられますが、多くのボランティアの参加ではじめて実現できるものです。
《分析と修正のポイント》
「1.5トンの無名の戦争」とは一体‥‥? と思ってしまいますね。
「平和を願う墓石」というのも変。
「1.5トン」はもちろん「墓石」にかかり、「無名の」は「人々」にかかるはずです。
「願う〜」は連体形なので、墓石が平和を願っているのかとも読めてしまいます。
まず、修飾語はできる限り被修飾語の直前に置くという鉄則を守ること。これで文章はスッキリします。
また、連体形が誤読を呼びそうなときは、連用形に直してみるというのも手です。
《修正例》
ということで、以上のボイントが理解できれば難しい修正ではありません。こんな風に。
このピースウォークは、戦争で犠牲になった無名の人々を追悼し平和を願って、1.5トンの墓石を歩いて運ぼうというもので‥‥
さらに細かいことを言うと、後半の「アメリカからは10数人がこられます」もややあいまいです。
どんな人が10数人来るのか、10数人の誰が来るのかと具体的に書かないと、「10数人」だけを主語とするのは少々無理がありますね。