今、iPadの発売を機に、電子ブックの話題が沸騰していますね。
僕の周辺でも、「InDesign勉強会」「出版ネッツいちもくセミナー」「勁版会」などの勉強会のテーマが“電子ブック”一色になっています。
6月の「InDesign勉強会」では、MさんにiPadを実演してもらい、大いにもりあがりました。
その時に、僕は「InDesignから作る電子ブック、3つの形態」を簡単に話しました。
InDesign CS5で言うと
1.PDFファイル
「ファイル」→「書き出し」…書き出しオプション=Adobe PDF(プリント)
2.SWFファイル
「ファイル」→「書き出し」…書き出しオプション=Flash Player(SWF)
3.EPUBファイル
「ファイル」→「書き出し先」→「EPUB」
このうち、1、2、は「レイアウト維持型」。3はiPadなどで話題の「リフロー型」です。
期待してそれぞれを試してみましたが、現段階では、2、3は不完全な部分が多く、試作品の域を出ないように思いました。
SWFファイルは、他の電子ブックのようにパラパラ頁めくり機能があり、目次もInDesignの目次と連動している、インターネットへのハイパーリンクも貼れる、など、「おっ」と思わせる部分もありました。でも2大欠点がありました。
1つ目は、Flashを使っているので、iPadやiPhoneには対応しない点です。
2つ目は、なんと「検索」機能がないのです。Adobeサポートに聞いても最初「検索できますよ」と言っていたのに最後は「やはり検索できませんね。今後の検討課題にさせてください」。これはがっかり。これでは、今は使えません。
で、その勉強会のあと、調べると、次々に一喜一憂の事実がわかってきました。
●わかったこと…その1(喜)
書き出しオプションの「Adobe PDF(インタラクティブ)」がかなり使えそうだとわかったこと。
まず、「頁めくりボタン」や「ハイパーリンク」が使える。
目次機能にあたる「しおり」が自動作成される。
これなら、SWFファイルよりよくできている部分があり、PDFなので、iPadやiPhoneでも開くことはできる。
それなら、せせらぎ出版の電子ブックはこの形式でいいではないか、とも思えてきました。
●わかったこと…その2(憂)
InDesign CS5で新規ドキュメントを作りフォントに「小塚明朝」を使い、EPUB書き出しをすると、なんとInDesignが強制終了してしまうのです。なんというバグ! 今、アドビに対策を調べてもらっているところです。アッチャー。ガックリ。
とにかく、今、電子書籍元年(?)は始まったばかり。あまりにも未解決な問題が多すぎますね。
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山崎亮一(せせらぎ出版・出版ネッツ関西支部)
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