アクロバットを持っていなくても、PDFファイルのゲラに書き込んで(注釈機能)校正をメール送信できる

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5月6日に、出版ネッツのいちもくセミナーがあり、金谷さんが講師でWeb検索のあれこれを紹介してくれて、たいへん役に立ったと好評でした。
その時の質疑応答の中で、「アクロバットを持っていない人でもPDFに書き込めるようにするにはどうしたらいいの?」という質問がありました。
金谷さんの紹介内容は、「PDFを加工できるソフトがフリーでもありますよ」ということだったのですが、僕は別の視点から「アクロバットを持っていなくてもPDFファイルに書き込める方法」を書いてみます。

この方法は、知っている人には目新しくもなんともない話ですので、読み飛ばしてください。
知らなかった人にはきっと役に立つと思うので書きます。

まず、アクロバットを持っていない「ライター」「執筆者」は、出版社(印刷所・DTPオペレーター)に「ゲラのPDFファイルを『注釈可能』にして送っ てほしい」と要請します。出版社(印刷所・DTPオペレーター)は普通アクロバットを持っているので、「Adobe Readerで注釈を有効にする」ことができます。「注釈を有効に」されたPDFファイルは、Adobe Readerで書き込みができるので、校正を書き込んで、メールに添付して送信すればいいのです。

実例で見てみましょう。
次のPDFファイルは通常のもので、書き込みができません。
●通常のPDFファイル=http://seseragi.s369.xrea.com/public/kosei-pdf/tuujou.pdf

これを出版社(印刷所・DTPオペレーター)が書き込み可能にしたPDFファイルが、次行のものです。
●書き込み可能なPDFファイル=http://seseragi.s369.xrea.com/public/kosei-pdf/kosei-kanou.pdf
このPDFファイルを自分のパソコンに保存(ダウンロード)してください。

保存(ダウンロード)したファイルを開いて、校正の練習をしてみましょう。
まず「文書」メニューから「注釈」→「注釈ツールバーを表示」と進み、「テキスト注釈」をクリックすると「テキスト挿入」「テキスト削除」「テキスト置換」などの方法が説明されているので、メモしてください。これは「OK」で閉じて、校正にかかります。

一例として、下記の4点の修正を書き込んだ「校正済みのゲラ例」が次のものです。
●校正済みのゲラ例=http://seseragi.s369.xrea.com/public/kosei-pdf/kosei-sumi.pdf
○修正1……上段4行目、「乗客」の前に「タリバンのような」を挿入
○修正2……上段14行目、「道路」を「ロード」に置換
○修正3……下段3行目、「この国では」を削除
○修正4……下段5行目、「安全である。」と「コンティネンタル…」の間で改行

どうでしょうか。興味ある人は試してみてください。
そして、仕事に活用してみようと思う人は、出版社側とよく相談し、ルールを確認しながらやってください。

せせらぎ出版では、とくに国外の著者との校正のやりとりは、この方法でずいぶん重宝しました。

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