ワードの太字、脚注番号、欧文斜体などをInDesignにとりこむ

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最近、実際にやった仕事で、脚注番号や欧文斜体(イタリック)などの入ったワード原稿をもとに、Indesignのゲラだしをしたところ、脚注番号が消え、欧文イタリック体も普通のregular書体になってしまっていました。

従来は、ワードのプリントアウトを見ながら、チェックをしていたのだけれど、それだと見落としミスが出る。ワードの脚注番号は非常に小さく、見落としやすい。また、欧文斜体とレギュラーが数多く混在している場合も、ミスがおこりやすい。

そこで、ワードのデータどおりにInDesignにとりこめないだろうか、と考えました。
従来の方法で、ワードからInDesignにコピー&ペーストすると、脚注番号は消えてしまい、欧文斜体はレギュラーになってしまいます。
ワードから「別名保存」でテキストファイル保存すると、脚注番号は全角でひろえますが、欧文斜体はもちろんレギュラーにしかなりません。

そこで、次なる手は、ワードのフォーマットを生かしてInDesignに配置する方法です。
「ファイル」→「配置」でワードデータを指定し、「読み込みオプションを表示」にチェックを付け、「グリッドフォーマットの適用」のチェックははずして「開く」をクリックします。
すると「読み込みオプション」メニューが出るので、「テキストと表のスタイルおよびフォーマットを保持」にチェックを入れたうえで「OK」を押します。そして「Shiftキー」を押しながら一挙に全ページを流し込みます。

脚注番号は、InDesign上でも「上付き文字」として問題なく変換されています。
次の問題は、欧文斜体の処理です。
ここから、InDesignの強力な「検索・置換」メニューの出番です。

「編集」→「検索と置換」に進み、僕の場合、書体を次のように一括置換してしまいます。
「Century」「[Italic]」を「リューミン」「L-KL」「歪み15°」に一括置換するのです。
その手順は、「検索と置換」のメニューで、上の「検索文字列」は空白にしておき、下の「検索形式」の右の虫眼鏡のようなマークをクリック、「基本文字形 式」を選び「フォント」で「Century」を選択、「スタイル」で「[Italic]」を選択します。[ ]マークはInDesign側にはなくてワー ド側にあるスタイルを意味するものと思われます。
次に上の「置換文字列」も空白のまま、下の「置換形式」の右の虫眼鏡マークをクリックして、「基本文字形式」を選び「フォント」で「リューミン」、「ス タイル」で「L-KL」を選択し、次に「詳細文字形式」のメニューで「歪み」を「15°」と指定します。これで置換の準備完了。
「すべてを置換」ボタンを押すと、ワードのCentury斜体はすべてInDesignのリューミンL-KL、歪み15°の斜体に変換され、ピンクの表示もきれいに消えます。

この後、僕はこの「検索と置換」メニューで、「MS明朝」を「リューミンL-KL」に、「Century」「Regular」も「リューミンL-KL」(歪みなし)に一括置換してしまいます。

あとは全体を選択して「本文段落スタイル」を適用し、それ以外の段落スタイルは個別に整えていくようにしています。

同様に、ワードの「太字」処理をした部分(「MS明朝」「[Bold]」)は、「リューミン」「B-KL」に一括置換してしまうことができます。

この方法のほうが、見落としミスがおこらないので、今後はこの方法にきりかえようと思っています。

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