このシリーズで、基本的な操作を一度記述したものは、毎回繰り返して記述することはしませんので、このシリーズの前回までは一通り目を通した上で、今回の記事を読んでください。
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InDesign勉強会のAさんから相談を受けました。
「見出し用の段落スタイルを適用したい箇所の冒頭に■印を入れてある。その箇所がたくさんあるので、手作業でなく一括処理したい」というものでした。
Aさんは、そのためのスクリプト(古籏一浩氏作)を見つけてきて、その使い方を聞いてきたのです。それはそれで解決したのですが、これはスクリプトを使わ なくても、InDesignの検索・置換メニューで、段落スタイルや文字スタイルを指定できるので、簡単に実現しました。これは便利なので、その手順を書 いておきます。クエリに登録するなどして、活用してください。
冒頭に■印を入れてある段落に、「見出しA」という段落スタイルを適用するようにしましょう。
1.「編集」→「検索・置換」で「正規表現」(CS3では「Grep」タブを選択。
2.検索文字列に「^■」と入れます。(右側の@印のようなボタンをクリックし、「位置」→「段落の始まり」をクリックすると「^」が入力できます)
3.置換文字列には何も入力しないで、下方の「置換形式」の右の虫眼鏡のようなマークをクリック。そこで「段落スタイル」の右の▼印をクリックして「見出しA」を選択し「OK」。
4.「検索」→「置換」を数回くりかえし、大丈夫そうだと確認できたら「すべてを置換」するとよい。
どうです。うまくいきましたでしょうか。
なお、■印は目印にしているだけで、段落スタイルが適用できたら削除したい場合には、次のようにするとできます。
1.上記の方法に準じて、検索文字列に「^■(.+)」と入れ、置換文字列に「$1」、置換形式に上記と同様に「見出しA」の段落スタイルを選択しておきます。
これで「すべてを置換」するとOKです。
「^■(.+)」の意味は、段落冒頭の■と段落内のそれに続く文字すべてを記憶するということです。
「$1」の意味は、■以外の記憶した文字すべてを書き出すということです。
段落スタイルや文字スタイルを「検索」や「置換」の対象にできるのは、とても便利で応用範囲が広いので、ぜひ応用してみてください。
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山崎亮一(せせらぎ出版・出版ネッツ関西支部)
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