今回は「検索・置換シリーズ」ではないのですが、おもしろい経験をしたので、書いてみます。利用できるケースの多い話だと思います。
先日、出版ネッツの古い仲間から相談の電話がありました。
「段落スタイルや文字スタイルをテキストファイルに書き出しできないだろうか。
複数の人間で組版をしているが、人によってスタイルを微妙に変更しており、同じブックの中でスタイルの読み込みをしてスタイルを統一したところ、レイアウ トが大きくずれてしまった。変更前のドキュメントに戻すと、著者校正の修正(大量)をもう一度しなければならない。頭をかかえている」
とのこと。
ネットで検索してみると、ミリグラムさんのブログにドンピシャのスクリプトがありました。
http://www.milligramme.cc/wp/archives/433
でも、これはマック用とかで、Windowsではエラーが出ます。
残念!
でも、スクリプトをよく見てみると、書き出し先のパス表記だけの問題のようです。マックのデスクトップを指定してある部分を「C:/」と書き直すと……やった! 動きました。
このように、ミリグラムさんのスクリプトを1箇所だけ書き直したWindows用のスクリプトと、元のミリグラムさんのMac用スクリプトを次のURLに 入れておきます。(注:その後、下のコメントのとおり、内浦亨氏が改良版を作ってくれたので、その改良版をアップしています)
他人のスクリプトをほとんどそのままうれしがって載せる無礼をお許しください。
http://seseragi.s369.xrea.com/public/Script/index.html
このスクリプトをダウンロードして自分のパソコンのInDesignスクリプトフォルダに入れると、見事に動きます。
このテキストファイルは、タブ区切りになっているので、エクセルで開くと、きれいに一覧表になります。
段落スタイルは「スタイル名」「フォント名」「フォントスタイル」「サイズ」「水平倍率」「ぶらさがり」「行揃え」「左インデント」「禁則」「文字組アキ量」の9項目、
文字スタイルは「スタイル名」「フォント名」「フォントスタイル」「サイズ」「色」「ベースラインシフト」の6項目です。
お試しください。
但し、これには改善の余地もあります。段落スタイルや文字スタイルでスタイルグループを作っている場合には、そのグループフォルダ内のスタイルが書き出されないのです。
たぶん、それを改善するのは可能だと思うのですが、僕にはその力量がありません。スクリプトに詳しい友人の力も借りて、改善版スクリプトを実現したいと思うのですが……。(注:その後、下のコメントの通り、改良版ができたので、現在は改良版をアップしています)